FORZA STYLE
栗原 資英 氏
FORZA STYLE チーム エグゼクティブプロデューサー
(株) 講談社
2015年にローンチした『FORZA STYLE』は紙の出版をしませんが、紙以外の全てのコミュニケーションを行っています。出版界ではまだ希有な存在ですが、ウェブメディアとしてファンと向き合ってきました。人間は誰かと誰かの間でしか存在できない社会的な動物ですが、メディアとしてのコンテンツ作りで、その人と人との間を売っていくことができるのではないかと思い、日々試行錯誤しています。
■ ファンがライバルという厳しい状況
紙媒体をはじめ、メディアは厳しい状況にありますが、様々なSNSの登場で、メディアがファンと時間を奪い合う共食い状態になってしまいました。ファンがライバルになったからだと思います。そこで、ファンと競うことなく、メディア作りに参加してもらうほうがよいと考え、オフ会やイベントなど、ファンとのコミュニティ作りに最も力を注ぎ、ロックイベントやファッションに関するレッスンなど、様々なことをしてきました。例えば「オシャレさん出てこいや!」は、ファンと一緒に作るYouTube上の企画で、コミュニティからのスター発掘も目指しています。そもそもインターネットは双方向なので、ファンとの交流はあらかじめウェブメディアの本能に組み込まれています。
■ それって、儲かるの?
ファンビジネスを成立させることは難しいのですが、可能性はここにしかないと思います。ファンを喜ばせて損なことは全くありません。それぞれの場面で利益が出なくても、タイアップへの信頼性を高めることや、ファン同士のつながりを生むことができる。また、ファンとの親近感が強くなれば、ファンに物を売ることもできます。先日、高価格帯のTシャツを販売しましたが、1週間で600枚も売れて驚きました。これもファンと私たちの相思相愛の関係からつながった結果だと思います。今後も高価格帯の商品をファンが購入してくださるとしたら、それだけでもすごいことになるので、「儲かる」可能性は充分にあります。
■ ファンのために作り、ファンに作ってもらう
ファン作り、そしてファンとともに色々なことを行うのはとても楽しく、ファンがコンテンツを作ってくれることに運営する側は大いに助けられています。ファンが口コミでコンテンツを作り、それを回してくれれば無駄がありません。今後もどんどん取り組んでいきたいと思います。
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