BE-PAL
沢木 拓也 氏
BE-PAL編集室長
(株) 小学館
『BE-PAL』は1981年創刊のアウトドア入門メディアです。読者の年齢層は40代がメインですが、20代、30代のファミリー層や、創刊以来の70代の方もいるなど、入れ替わりがありつつも、長く読まれている雑誌です。
■ ファンコミュニティの作り方
ファンコミュニティ作りのイベントのひとつとして「BE-PAL FOREST CAMP」を主催しています。コロナ禍中はオンライン配信で開催しましたが、これまで参加できなかった全国各地のショップや読者とつながることができました。2022年秋にリアルイベントを再開、23年は春と秋の2回開催し、協賛社の皆さまと一緒に料理教室やDIY教室といったコンテンツを作ることで、参加者の方々にも満足していただきました。そういう意味では、読者と協賛社とともに作り上げているイベントと言えるかもしれません。
ほかには、地方自治体と提携するアウトドアイベントも開いています。例えば「山陰海岸ジオパークトレイル」は、鳥取県、兵庫県、京都府に渡るロングトレイルです。ジオパークの認知向上のために全長230kmにおよぶルートを選定し、人集め、動画制作、本誌とウェブでの記事化まで、かなり大がかりな取り組みを行っています。日帰りからキャンプ泊のものまで、様々な形で読者を集めつつ10回ほど開催しました。また、北九州市山田緑地「パルパークプロジェクト」では、北九州市と提携し、焚き火を中心に都市公園を盛り上げていこうという企画で、焚き火を教える人を育てていく形で取り組みました。私たちが毎回入らず、ボランティアの方と一緒に作り上げていき、ファンがファンを呼んでいくように進めています。子供も一緒になり、石を運んで丸太を組んで焚き火場を作るところから始め、第一期、第二期とファンがファンをつないでいく形での公園プロデュースの取り組みです。
イベント以外ではインスタライブを毎月実施しています。編集部員が付録や特集について語るのですが、毎回見てくれる読者がキャンプイベントにも参加し、初心者の編集部員に色々アドバイスしてくれるなど、対等な立場で雑誌を盛り上げてくれます。読者が、付録の使い方などをどんどんSNSで発信してくれていることも、雑誌の力になっています。
■ 今後もファンコミュニティを広げる
場所によって集客は簡単ではありませんが、遠いところから実際に会いに来てくれる読者もいます。今後もファンコミュニティを広げつつ、地方自治体や企業など、様々な業界の方とのコラボ展開も広げていきたいと考えています。
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